帰国子女かわらばん

海外で生まれ育った3人の子どもとともに、帰国後の編入や受験に向き合いながら、発見したことや生活・教育について思うこと

帰国子女枠のある学校が用意しているプログラム

、、、というタイトルにすると、

  • そんな受け身な姿勢ではなく、提供されるのを待つのではなく、自ら動くべきでは
  • 帰国子女のためだけでなく、すべての生徒へのグローバル教育としてのものでは

というツッコミも自分でしたくなりますね。

色々と調べていく中で分かってきたのは、帰国子女受験・帰国子女枠を用意している学校の多くが、通常の一条校としての教育内容に加えて、特別なプログラムを提供している。

これに加えて、海外留学や海外研修旅行、海外を含む大学紹介やフェアの開催などもあるが、そうしたスポット的なイベントの話は置いておき、ここではプログラム/クラスとしてどういうものがあるのかの話です。

取り出し授業

帰国子女受験・枠を用意している学校だと、だいたい提供されている。

これ何?

通常学級に在籍する生徒を対象に、個別の学習ニーズに応じて一時的に別室で指導を行う教育手法。帰国子女向けの場合は、多くが英語のクラスで、ネイティブ教員によるフル英語授業などが行われる。

具体的には、高校生またはそれ以上の高度な文章のリーディングやライティングなど。授業の進行や生徒の発言も英語のみとかが多い。

思うこと

確かに、自分の経験から思うことは:

  • 高度な文章に日常的に触れる機会は、放っておくと意外と少ない。日本語でも、マンガではなく新聞などを読む・精読してロジック構成を頭に入れるのと同じ。TOEFLもそうだが、将来大学の授業についていけるように、アカデミックな文脈の文章など、(普段なら自ら好んで読まないものだから)そうした機会でやる必要がある。
  • アウトプット重要。米国では、中高からはエッセイライティングがしっかりと指導される。特に、パラグラフ構成やトピックセンテンスの書き方などは、話し言葉とは別物だし、特にback-loadedな日本語話者には自然に身につくものではない。

あとは、英語ネイティブの生徒にとっては、日本型の英文法や和訳中心の学習がかえってノイズになることもある。ウチの子もTOEFLが満点近くだったのに、その翌週ぐらいに英語のテストで、「模範解答としてはこうです」で得点がもらえず(ネイティブとしては全く問題無いのに)、複雑な気持ちで帰宅してきたことがある。

仲の良かった子供の友人から聞いた話では、例えば渋幕(渋谷教育学園幕張)とかでは本当に高度な英語文章の読解やライティングをやっているという。あの渋幕中の帰国子女英語問題を合格し、英検1級保持者の彼でも、かなり手強いとのこと。聞く限りは、大学受験がもはや目標ではなく、その先を見据えている。

なので、取り出し授業は、単に「英語を使える機会がある」と捉えるよりは、各学校でどんな内容や目的・目標で行われているかなど、深掘りする価値はあると思う。

IB(International Baccalaureate、国際バカロレア)

今まで耳にしたことはあったものの、内容まで触れたのは初めて。まだよく分からないけど。

これ何?

文部科学省のIB教育推進コンソーシアムにも説明があるが、
自分なりの解釈は:

探究型の教育カリキュラムの国際的な大学入学資格、かつ、センター試験的なもの

実際に自分自身が体験したわけではないが、このカリキュラムの高校修了資格(IB Diploma)とスコアを国内海外の大学受験に用いることができるもの。

特に欧州系に強いようで、イギリスやオーストラリアの大学への実績が多いような気がする。ただ、米国大学なども実績は有り、実際に米国の友人に聞いても皆知っていたし、各大学はそれなりにリスペクトしているのではとのこと。

思うこと

イギリスの大学を出た友人に聞くと、IB Diplomaを持っていると一部の基礎課程(日本のパンキョーに該当?)が免除され、結果として在学期間や学費が軽減されるケースもあるという。

ただ、みんな口を揃えていうのは「(ワークロードが)大変らしいね」。

最近は日本国内でもIB校が増えてきている様子。暗記型ではなく探究型・思考型教育として、あるいは、グローバル社会への切符として注目されている。国内一条校であれば、日本語での実施が多く、フル英語は多くない。インターナショナルスクールでは採用例も多い。

また、IB認定校は公立私立ともに、通常よりも学費が高い。私立であれば結構高くなり、インターなどであれば尚更。

しかし、今後のAI時代において、暗記はもはや価値ではなく、こうした探究型・思考型は重要と思われ、魅力的に感じる。やってみないとわからないが。

AP(Advanced Placement)

米国で学校を出たり年頃の子を育てた経験がないと、知らない人がほとんどではないだろうか。

これ何?

アメリカのCollege Boardという団体(SATなども実施している)が運営する、高校在学中に大学レベルの授業を受け、最後に試験を受けてスコアを出すプログラム。米国の高校では通常授業の一部として提供され、大学受験時にはこれら履修内容やスコア/GPAも提出する。

思うこと

正直、子供の友人やその親も、高校以降はめちゃくちゃこれを意識している。人によっては(私の周りでは多くが)、APの一部科目には履修条件があるため、中学のエレクティブクラスから戦略的に選択していた。

そこまで意識する理由は以下:

  • APは通常科目より高いGPA換算がされることがあり、大学受験で有利になる
  • 大学入学後に単位認定され、卒業を早めたり(=学費も安くなる)、インターン等の課外活動に時間を使えたりする

ちなみに、日本でこれを受けられる機会は非常に限られる。

まとめ

というわけで、IBとAPは、カリキュラムや内容そのものだけでなく、大学受験における共通すコア・GPA的に用いることができ、進学に直結するものとして気になるところ。

印象としては、IBは欧州を中心としたグローバル進学と探究力育成、APは米国進学に強そう。ただ、米国のアイビーリーグやMITとか出身の友人に聞いても、「IBかAPかとかで決定的な差になるとは聞いたことがない」という意見が多かった。

実際のところはわからないが、生徒本人が如何にフィットするか・充実した高校生活につながるかなのだろう(と結論付けるしかなかった)。